バルセロナへ行く、と人に話すと、
「うわーバルセロナ!いいなー!!!海!!!おいしい食べ物!!・・・・でも、なんでバルセロナ?」と、人に聞かれることが多いです。
バロックで留学する人は、私の周りだとオランダ、スイス、フランス・・・のどこかに行く人が圧倒的に多いので、一般的な選択肢ではないバルセロナへ行く私が不思議がられるのも無理はありません。
自分の考えをまとめるためにも、理由をちょっと書きだしてみようと思います。写真は、カタルーニャ音楽堂。
エミリオ先生が好き
バルセロナでは、私の行くESMUCにて、バロック音楽の巨匠、エミリオ先生のもとで勉強します。
歩く辞書のように音楽に関して知識が豊富な先生の演奏は、説得力があるだけでなくとても自然で素晴らしいです。人間的にも、とても温かくて尊敬している先生です。
スペインの芸術に興味がある
スペインは、南部の町アルヘシラスから船で約二時間下るだけでモロッコにつくという立地上などの理由から、西洋とアフリカ大陸の文化が混ざり合い、独自の芸術を生み出してきました。
音楽に関しても、スペインは独特です。
バッハ、モーツアルト、リュリ、ヴィヴァルディ・・・などのドイツ、イタリア、フランスを中心とするバロック時代を代表する作曲家の作品に慣れ親しんできた私にとって、スペイン音楽は未知なる世界でした。なんというか、スペイン!なんです。
作曲年はだいぶ違いますが、スペインらしい動画を二つ載せます。キレっキレのカスタネットがカッコイイ。
ひとつ目は、Luigi Boccherini(1743 - 1805)のファンダンゴという曲。
ボッケリーニの生まれはイタリアですが、1769年にドン・ルイス皇子付き奏者兼作曲家となり、そのままマドリッドで半生を送った作曲家です。曲名の「ファンダンゴ」とは、スペイン起源(だといわれている)の舞曲のことです。ちなみに、1stヴァイオリンの演奏者はエミリオ先生。
もうひとつ。
Antonio Martín y Coll (1734年頃没) 作曲のフォリアです。彼はオルガニストで作曲家で楽譜の収集家でもある修道士でした。晩年はマドリッドの修道院で過ごしていたようです。
曲名のフォリアとは、15世紀末のポルトガルあるいはスペインが起源の舞曲のこと。演奏者は、サヴァールさんです。
曲名のフォリアとは、15世紀末のポルトガルあるいはスペインが起源の舞曲のこと。演奏者は、サヴァールさんです。
スペインの”粋”がカッコイイ
スペイン人の情熱的な激しさは、この”粋”の感覚を伴うことによって、はじめて得も言われぬ、絶妙な美の世界へ昇華するものとなる。・・・略・・・スペイン芸術の優れたものに例外なく浸透しているこの”粋”の美学ーーースペイン語では、グラシア(天賦の恩寵)、ガルボ(優美さ)、ガリャルディーア(りりしさ)、ドナイレ(風情)、アンヘル(天使)、サル(塩)またはサレ-ロ(塩つぼ)等など、色々な言葉でこの”筆舌に尽くせない妙味”を表現する。スペイン音楽ってどんなのなんだろうと思って、この本を読んでいた時に頭に残った箇所。
ーーーーーーーー「スペイン音楽のたのしみ」濱田滋郎 著
上の動画をお聞きいただいたらわかると思いますが、あの感じがまさしく「筆舌に尽くせないスペインの”粋”」なんだろうな、と思います。
日本でも”粋”の文化は深く息づいており、九鬼周三の「粋の構造」という本が有名ですが、日本の”粋”とは少し違ったスペインの”粋”を現地で体感して、日本の”粋”との違いを感じでみたいと思いました。(日本の”粋”を、私がちゃんと分かっているかどうかはナゾですが・・・)
おもしろそうだから
色々理由を並べてみましたが、私がバルセロナに行こうと思ったわけは、結局の所「おもしろそう!行ったれー、なんとかなるさ。」という、単なる勢いなのかもしれません。行ける時、やれる時にできることはやる。悔いのない人生にしたいという感じでしょうか。
おもしろそうなもの、ワクワクするものをやりたい!と思いながら常日頃生活しているわけですが、その気持ちは今も昔も変わりません。むしろ今の方が強いかもしれません。
昔は色々と悩んだ時期もありましたが、これからもおもしろいと思うものを追い続けたいと思います。まあ、なんとかなるよの精神で今まで生きてきています。・・・・・・なるだろうか。
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